subhead_bg

メスカルとは

メキシコ最大の先住民の言語であるナワトル語の“metl(マゲイ=アガベ)”と“ixcalli(加熱した)”に由来する、所定の法律に定める指定産地内の野性または栽培されたアガベを原材料とするメキシコ原産の蒸留酒。メスカルに関する公式規則(NOM-070)の遵守を促進し、製造管理をメキシコ政府から委任されたCRM(メスカル規制委員会)によって認証されたものだけが「メスカル」と呼ばれている。

メスカルの原産地呼称 (出典:CRM)

2021年現在、9州(オアハカ、ドゥランゴ、サカテカス、タマウリパス、グアナファト、サン・ルイス・ポトシ、ミチョアカン、ゲレロ、プエブラ)が原産地呼称による保護対象地域に認定され、963カ所(2019年)の市町村でメスカルが造られている。

メスカル規制委員会(CRM)Consejo Regulador del Mezcal

1994年にメスカルの原産地呼称による保護宣言が公布された後、1997年に民間法人として設立し、メキシコ当局によってメスカルの製造管理を委任された認証機関。メキシコ内外でメスカルの原産地呼称を守り、製品の信頼性、トレーサビリティ、品質及び持続可能性の保証を主要目的として、2003年からメスカルに関するメキシコ公式規格(NOM-070)の遵守に関する検査・認証活動を鋭意実施している。直営のサイトのMezcal.comでは、ビデオや記事を通じてアガベ、メスカルの製法、メーカーなどの情報を随時発信している。

(出典:CRM)

 200種類以上あるアガベの中で原材料として使われるアガベの指定はない。

 原産地呼称で保護されたメキシコの指定産地9州で育成したアガベを使用し、製造・蒸留したものである。

 原材料は100%アガベのみだが、数種類のアガベをブレンドすることができる。その場合、ラベルに配合の多い順番からアガベの種類を記載する。

 蒸留回数の規定はない。

 アルコール度数35%〜55%である。

 メタノールの値は3mg/ml以下である。

 ボトルに、CRMの認証を得たメーカー、ブランド毎の13桁の数字とアルファベットから成る番号が記載されたホログラム(holograma)を添付する。

テキーラとメスカルの主要な相違点

原材料 カテゴリー 製法 指定原産地 法律(現行)メキシコ公式規則
アガベアスルのみ 100%アガベテキーラと
テキーラの2種類
産業ベースでの
大量生産が主流
5州 NORMA OFICIAL MEXICANA
NOM-006-SCFI-2012
指定産地内の
全てのアガベ
100%アガベのみ 手作業による
少量生産が多い
9州 NORMA OFICIAL MEXICANA
NOM-070-SCFI-2016

メスカル特有のスモーキーな香りを楽しむため「キスをするようにゆっくりと味わう」と言われいる。メスカル用のカバジート(口径が広く丈の短いショットグラス)やヒカラ(Tecomateという果実の中身をくり抜いたもの)、粘土製の丸い容器などを使用してみよう。

“Para todo mal, mezcal, para todo bien, también.” 「辛いときにメスカル、嬉しいときもメスカル。」

1875年設立のメキシコ言語アカデミーでは、テキーラではなくメスカルのことわざとして紹介されている。
その他、テキーラでは収穫する人を「ヒマドール」と呼ぶがメスカルの場合は「コルタドール」、アガベを「マゲイ」、蒸留所を「パレンケ」と呼ぶことが多い。

(出典:CRM)

Category of Mezcal

メスカルのカテゴリー

  • メスカル
    アンセストラル

    Mezcal Ancestral

    地中に穴を掘ってアガベ(マゲイ)を蒸し焼きにして、手作業で杵を使い加熱したアガベを粉砕。動物の皮、石、土、木の幹や、素焼きの瓶、木や粘土の桶などで発酵させ、素焼きの瓶で蒸留するなど、伝統的な製法で造られたメスカル。2019年のシェアは0.7%。

  • メスカル
    アルテサナル

    Mezcal Artesanal

    一般的に、地中に穴を掘ってアガベ(マゲイ)を蒸し焼きにし、石臼(タオナ)を使ってアガベを搾汁。酵母を使わず木樽で自然発酵させ、粘土や銅製の釜で蒸留するメスカル。蒸留器にアガベを搾った後の繊維(バガス)を入れる場合もある。クラフト感を残しつつ、安定供給のできる輸出メスカルブランドの主柱となっている。2019年には、メスカル全体の89.9%を占める。

  • メスカル

    Mezcal

    圧力釜で蒸したアガベをシュレッダーで搾汁し、ステンレスタンクで発酵させる。その後、銅製またはステンレス製の蒸留器で工業的に大量生産されるメスカル。2019年のシェアは9.4%。

Class of Mezcal

メスカルのクラス

  • ブランコ/ホベン

    Blanco/Joven

    樽熟成期間:0~2ヶ月未満

    クラス別では88.2%(2019年)のシェア。

  • レポサド

    Reposado

    樽熟成期間:2ヶ月~1年未満

    樽の容量規定:無し

    温度・湿度の安定した場所で熟成。

  • アニェホ/アネホ

    Añejo

    樽熟成期間:1年以上

    樽の容量規定:1,000ℓ未満

    温度・湿度の安定した場所で熟成。

  • マドゥラド・エン・ ビドゥリオ

    Madurado en Vidrio

    温度、湿度の安定した暗所で1年以上ガラス製の瓶または容器で熟成するもの。結婚式、誕生日など慶事に飲まれることが多い。

  • アボカド・コン

    Abocado Con

    グサノや果物、蜂蜜、ハーブ、香料などを加えて製造するもの。この場合はどのクラスでも可能である。

  • デスティラド・コン

    Destilado Con

    蒸留の際のメスカルを風味づけしたもの。鶏・七面鳥・ウサギの胸肉(ペチューガ)や果物、トウモロコシのひげなどを入れる。ブランコのみ対象となり、同一カテゴリーのブレンドが可能。

  • エスパディン Espadín

    (Agave angustifolia Haw)

  • メスカルの原料として最も広く利用されている。アガベアスルの祖先でもある。細長い葉をつける。
  • テペスタテ Tepextate

    (Agave marmorata)

  • 「山」という意味のナワトル語に語源を持ち、石の上にも育つことができる。野生では25年くらいにもなる長寿のアガベ。
  • トバラ Tobalá

    (Agave potatorum)

  • 「芳香のマゲイ」という意味のサポテカ語で、石と粘土の土地に育つ。バラを彷彿とさせる葉形も美しい。
  • セニソ Cenizo

    (Agave durangensis)

  • ドゥランゴ州産限定。灰色がかった緑色をしている。全長2mに達することも少なくない。
  • パパロテ Papalot[Papalometl]

    (Agave cupreata)

  • ゲレロ州、ミチョアカン州を通り太平洋に注ぐバルサス川流域の盆地の固有種。ナワトル語で「蝶々」を意味する。
  • シエラネグラ Sierra Negra

    (Agave americana subsp. Oaxacensis)

  • アガベアメリカナの亜属。成熟に25年も要することがある希少なアガベ。黒色(negro)の棘がある。

※一般名(カタカナ):スペイン語(学術名) *[ ]は別の一般名

(出典:CRM)

ブランド数

277

(68カ国で販売)

生産量

714万 ℓ

(2018年は508万 ℓ)

※蒸留所数のデータはCRMから公表されていない。

2020年のメスカルランキング (出典:Drinks International Annual Brands Report 2021)

BESTSELLING BRANDS 2020

TOP TRENDING BRANDS 2020

※NOM番号はCRMが各生産者に交付した認識番号。2016年以降ホログラムのみのブランドもある。

最新トピックス