アガベ不足と高い需要でテキーラ価格が23%上昇へ

 

テキーラの大手メーカーのBecle(ホセ・クエルボ)、Diageo(ドン・フリオ)、Brown-Forman(エラドゥーラ)は、原料のアガベ不足がテキーラ価格の23%の上昇を引き起こし、その事態が利益を圧迫しているとの表明を行った。

 

理由はテキーラへの強い需要であり、原産地呼称の対象地域でのみ生産が可能であることと、国際的にアガベシロップ、甘味料が大きな注目を浴びていて、これらがアガベの価格高騰に拍車をかけていると専門家のアントニオ・セベイラ氏は述べる。

 

2014年から2019年にかけてアガベの価格はキロ当たり3ペソから26ペソと8倍以上の上昇を見た。国立統計院のデータによると、同時期に製造費に占める原料の割合が6割を超えており、原料不足のために製造コストが2割以上上昇した。セベイラ氏によると、メーカーの利益は5割近く減少した。

 

しかしながら、今年の第一四半期には、8550万リットルのテキーラが製造され、5年前の同時期に比べて5割弱の増産となった。

 

2018年のテキーラ生産高は3億900万リットル、前年比で13.9%増であり、その生産には5500万株のアガベを必要とした。テキーラ1リットルにつき平均0.18個のアガベが使われたことになる。

 

他方、ロドルフォ・ゴンサレスCNITの会頭は、アガベ不足は心配する状況にはなく、指定産地には5億株以上のアガベが栽培されており、その内9400万株ほどは生育5年以上のアガベであるとロドルフォ・ゴンサレスCNITの会頭は述べて、アガベ不足への過剰な懸念を否定した。

 

TEXT : 松浦芳枝

出典:El Informador