テキーラのテイスティング方法

COLOR視覚

白い布または紙を片手の掌に置き、グラスを目の高さに持ち、色、透明度、輝き、不純物がないかを観察する。グラスをゆっくり回転させ、内側に広がるテキーラの粘度(涙・脚と呼ばれる)を確認する。

  • ブランコ:若干の例外があるが、クリスタルのような完全な透明さがある。
  • レポサド:黄色味を帯びた藁色で、色の濃さは異なり、ゴールドの輝きが見られる。
  • アニェホ、エクストラアニェホ:様々な濃さの琥珀色になる傾向があり、銅色の輝きが見られる。

AROMA嗅覚

グラスを傾けながら数秒かけて鼻に近づける。グラスの下部から始めて中央部、上部と移していき、異なったアロマを捉える。

  • 第一アロマ:原材料であるアガベの栽培年数や土壌の香りを含む特性、収穫時期などの原材料に関わるもので、主にグラスの下部から感じられる。
  • 第二アロマ:製造過程に由来する酵母の種類、発酵の条件、蒸留所固有の香り。主にグラスの中央部から感じられる。
  • 第三アロマ:樽の種類や熟成期間による香り。主にグラスの上部から感じられる。様々な要素の組み合わせによって、それぞれのテキーラの個性が生み出される。

FLAVOR味覚

テキーラを少量口の中に入れて舌で5秒間ほど転がした後、ゆっくり息を吐きながらテキーラの香りを感じる。口を閉じたまま鼻から息を出し、口中での接触などによる香りの変化を確認する。甘味、酸味、塩味、苦味、旨味、渋味などのバランスを観察。

FLAVOR 味覚
ショットグラスの起源

テキーラ用のショットグラスはスペイン語ではカバジートと呼ばれている。植民地時代にアガベ畑の所有者や監督は、農民の作業を監視するために、馬(カバージョ)に乗って時々見回りに行っていた。その時にテキーラと水を別々に入れた水筒と、水牛の角をくりぬいたもの(クエルニート)をコップ代わりに首から提げて、馬の背でテキーラを飲んでいた。「愛馬(カバジート)に乗ってテキーラさ!」

グラスで楽しむテキーラ

テキーラからは600種類もの異なる香りが認められており、平均的な人で約30種類の香りを認識することができると言われている。グラスの違いによって、味わいや香りの新しい発見を楽しむことができる。

テキーラのチェイサー
「サングリータ」

60年以上前に、ハリスコ州のチャパラ地区で誕生。メキシコ料理店を経営していたエドムンド・サンチェス夫妻が、当時のテキーラは製法が現在とは違い、味や香りが非常に強かったため、飲みやすくするためオレンジスライスと塩、チリパウダーを添えて提供したところ好評だった。その後、オレンジスライスをオレンジジュースに変えて、他の材料を加えチェイサーとして提供するようになった。 見た目が赤く血液(Sangre)のようだったため、itaという「小さい、可愛らしい」という響きのある接尾語をつけてSangrita(サングリータ)と名付けられたと言われている。サングリータは様々なレシピにアレンジされ、ライムジュース、テキーラ、サングリータをメキシコの国旗の色(緑・白・赤)に見立てて提供する「バンデラ(旗)」という飲み方も広まった。

テキーラと塩・ライム

テキーラと塩・ライム 01

1800年代に小規模生産で造られていたテキーラはアルコール度数が高く強いお酒であっため、塩で唾液の出を促し、ライムの果汁によって喉の焼け付く感じを軽減していたという説や、1930年代にメキシコの北部でスペイン風邪が猛威をふるった際、医師によってテキーラ(メスカル)と塩・ライムが最善の治療法として処方されたという説などから、この飲み方が広まったと言われている。他方、近年のテキーラの特徴として、アルコール感も強くなく、飲みやすいものが多く「塩もライムも不要」と主張するブランドが増えている。
塩の産地としても有名なメキシコ。バハ・カリフォルニア半島の世界自然遺産に登録されたエル・ビスカイノ湾には、約50,000ヘクタールの広さを誇る世界最大の「ゲレロネグロ塩田」がある。海水を使った天日塩は年間750万トン以上生産され、主に日本に輸出されている。

テキーラカクテル

Margarita マルガリータ

世界で一番有名なテキーラベースのカクテル「マルガリータ」。マルガリータの起源については諸説あり真相は解明されていない。様々なレシピが存在し、見た目や味わい等のバラエティが豊か。

マルガリータの起源

  1. マルガリータ
  2. 1936年/ メキシコ・プエブラ州

    The Crespo Hotelで、バーテンダーのダニー・ネグレテが「マルガリータ」という名前のガールフレンドのために作った。

  3. 1938年/ メキシコ・バハ カリフォルニア州

    ロサリオ・ビーチにあるバーRancho La Gloriaで、シンガーのマージョリー・キングがテキーラ以外のアルコールにアレルギーがあったため、オーナーのダニー・エレーラがマージョリーの名前にちなんで、スペイン語の「マルガリータ」と名付けたテキーラカクテルを作った。

  4. 1942年/ メキシコ・チワワ州

    アメリカの独立記念日に、シウダ・フアレスのバーTommy’s Placeで、バーテンダーのパンチョ・モラレスは「マグノリア」という名前 のカクテルを注文された。ところが、コアントロー以外の材料が思い出せず、好みのテキーラを加えてオリジナルで作ったカクテルの名前を勘違いし「マルガリータ」と名付けた。

  1. マルガリータ
  2. 1948年/ メキシコ・アカプルコ

    上流階級のマルガリータ・サメスが、お客様のおもてなしのために、大好きなテキーラとコアントローを使ってカクテルを作った。

  3. 1950年代/ アメリカ合衆国・ビバリーヒルズ

    レストラン”Tail O’the Cock”に地元の酒屋がテキーラを大量に納品していると話題になり、その店では「マルガリータ」という名前のカクテルが人気だと広まった。

マルガリータに合うテキーラランキング2022

Altos アルトス
Altos

アルトス

Don Julio ドン・フリオ
Don Julio

ドン・フリオ

Ocho アルトス
Ocho

オチョ

トミーズマルガリータ

サンフランシスコのメキシカンレストラン“Tommy’s”のオーナーで、世界中でテキーラの普及活動を展開するフリオ・ベルメホ氏が考案した。100%アガベテキーラをベースにライムと、コアントローの代わりにアガベシロップを使用するのが特徴。グラスに塩の装飾はせず、氷を加えたオンザロックスタイルで提供するのが独自のスタイル。

Tommy's Margarita トミーズマルガリータ

フローズン・マルガリータ

マルガリータをシャーベット状にしたフローズンカクテル。ライムやマンゴー、ストロベリーなど様々なフレーバーのフローズンマルガリータは、レストランやバーはもちろん自宅でも手軽に楽しめる。

Frozen Margarita フローズン・マルガリータ
Agave Syrup  アガベシロップ

アガベシロップとは?

テキーラの原料である「アガベアスル」または「アガベサルミアナ」の2種類のみで作られるアガベシロップは、米国を中心にマーケットが広がり、日本でも低GI値のオーガニック甘味料として定着してきた近年注目の食材。カクテルの副材料としても活用されている。メキシコ政府が中心となり2017年より生産者の管理と品質基基準の遵守を目的としたNOM制度(メキシコ公式規格)も導入された。

Tequila Cocktails テキーラカクテル

パロマ

メキシコで一般的に知られている、テキーラとグレープフルーツジュース、ソーダ、塩を用いて作る定番カクテル。グレープフルーツソーダでシンプルに割って楽しむカジュアルなレシピもある。

Paloma パロマ

カンタリート

スペイン語で「素焼きの器」を意味する、メキシコ・ハリスコ州から広まったカクテル。テキーラとフレッシュフルーツ、塩の入ったグラスに、グレープフルーツジュースとソーダを加えたもので、さっぱりとした味わい。

Cantarito カンタリート

テキーラハイボール

食中酒としても楽しめるテキーラのソーダ割り。ソーダの代わりにトニックウォーターやジンジャーエール、コーラで割るのもおすすめ。
お好みでライムを搾り入れて。

Tequila Highball テキーラハイボール

メキシカンモヒート

日本でも定番のラムベースのカクテル「モヒート」のテキーラバージョン。清涼感があり、暑い日におすすめ。シュガーシロップの代わりにアガベシロップを用いるレシピもある。

Mexican Mojito メキシカンモヒート

ストローハット

テキーラに、トマトジュースを加えて作るシンプルなロングカクテル。「ストロー・ハット」は英語で「麦わら帽子」という意味。トマトとレモンの酸味が爽やかな味わい。
お好みでウスターソースやチリソースを入れて。

Straw Hat ストローハット

テキーラサンライズ

テキーラとオレンジジュースを注いだグラスに、グレナデンシロップをグラスの底に沈め、朝日をイメージしたグラデーションが特徴のカクテル。オレンジをレモンジュースに変えたテキーラサンセットも人気。

Tequila Sunrise テキーラサンライズ

エル・ディアブロ

スペイン語で「悪魔」という意味の、テキーラをカシスリキュール、ジンジャーエールで割ったカクテル。
さっぱりとした飲み口が特徴。

El Diablo エル・ディアブロ

マタドール

スペイン語で闘牛士という意味の、テキーラにパイナップルジュースとライムジュースを入れてシェイカーで混ぜたカクテル。
グラスの縁にパイナップルを添えて。

Matador マタドール

バタンガ

テキーラ地区にある有名店“La Capilla De Don Javier”で、1937年に当時のオーナーハビエル氏が考案。テキーラにライムをたっぷり搾り入れてコーラを注ぎ、ライムを切ったナイフでグラスを混ぜて作るカクテル。スノースタイルが一般的。

Batanga バタンガ

モッキンバード

メキシコなど北米大陸南部に生息する鳥の名前が由来のカクテル。テキーラ、ミントリキュールにレモン(またはライム)の味わいが爽やか。

Mockingbird モッキンバード

テグロー二

世界中で人気のジンとスイートベルモット、カンパリを使ったクラシックカクテル「ネグローニ」のテキーラバージョン。甘みと苦みのバランスが良い味わいを醸し出す。

Tegroni テグロー二

テキーニ

ジンベースのスタンダードカクテル「マティーニ」のテキーラバージョン。テキーラとドライベルモットをステアして冷やしたグラスに注いで作る。ドライな口当たりが人気。

Tequini テキーニ

テキーラマンハッタン

ジンベースのスタンダードカクテル「マティーニ」のテキーラバージョン。テキーラとドライベルモットをステアして冷やしたグラスに注いで作る。ドライな口当たりが人気。

Tequila Manhattan テキーラマンハッタン

コロナリータ

ビーチリゾートのパーティードリンクとして人気。フローズンマルガ リータをコロナビールで溶かしながら飲む新しいスタイルのカクテル。グラスにミニサイズのコロナビールが瓶ごと差し込まれている。

Coronarita コロナリータ