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2020/10/31 ハリスコ州に於ける「緊急事態ボタン」発動とその背景(新型コロナウイルス関連情報)
メキシコ・ハリスコ州政府は、10月31日から11月13日まで新型コロナウイルスの更なる感染拡大防止を目的として、必要不可欠な活動を除き、一定の経済社会活動の停止を求める「緊急事態ボタン」を発動することを発表しました。
Photo/coronavirus-en-jalisco-ultimas-noticias-200(MILENIO)

メキシコ全土に関する連邦政府厚生省の発表の要約は以下の通りである。 
10/29の時点で感染者数は912,000人、死亡者数は90,773人。
全国の状況については、新型コロナウイルス(以下新型コロナ)は感染の衰えを見せておらず、ここ2週間ほど前に強さを増した。現時点で焦点になっている州は、北部のチワワ、コアウイラ及び中央部のアグアスカリエンテスやケレタロなど中央部である。

会見でロペス=ガテル厚生省次官は、感染防止のためのマスク着用の重要性を説いた。
とりわけ、11月初めの「死者の日」を控えて、国民に衛星と社会的距離を保って行動する様呼び掛けを行った。
今年は10/31から11/2までを、新型コロナによる死亡者への国民服喪日とするという声明が出ており、外出はしないに越したことはないとしながらも、故人を偲ぶためにどうしても御墓参りをという場合には、マスク着用を含めた最大限の注意を払い、「感染しない、させない」という意識を徹底して欲しいと力説した。

ハリスコ州による「緊急事態ボタン」発動
その前提と内容を以下に示す。

10/28の時点で、州内感染者数は90903人、死亡者数は3992人という背景の中、同日、新型コロナの更なる感染拡大防止を目的として、必要不可欠な活動を除き、一定の社会経済活動の停止を求める「緊急事態ボタン」の発動を発表した。詳細は以下の通りである。

(1)期間は、10/30から11/13までの14日間。

(2)活動停止の時間帯は、平日19:00~翌朝05:59・週末(土)06:00~(月)05:59
(但し、観光が経済活動の9割を占め、週末に経済的利益が集中するリゾート地域であるプエルト・バヤルタは、平日、週末を問わず、20:30~翌朝05:59。尚、海岸への立ち入り禁止時間帯は、15:00~翌朝05:00。)

(3)活動停止が対象となる活動
・工業及びホテル業を除く経済・商業・サービス活動
・修理・技術サービス等を提供する工場
・ショッピングセンター等の商業施設
・(平日)セルフサービス店、クラブ、デパート
・公設市場・青空市場
・(平日)企業事務所
・文化・娯楽・スポーツ活動
・スポーツ施設及び森林公園
・宗教的活動・行事
・11人以上の集会
・私的な社交行事
・(週末)文房具店、金物店、手芸材料・小間物店
・公共交通 (GDL大都市圏、グスマン市及びテパティトラン・デ・モレロスのみ)
 (平日) 20:59〜翌日05:30 (21:00以降は降車のみ可)
 (週末) 金21-:00~月05:30
・Uber等のアプリによる配車サービスの提供
 (平日) 05:30~19:59まで認めらえる。
 (週末) 停止
尚、通常のタクシーは、この規制の対象外で、所定の車内清掃と衛生措置を講じて、24時間通常のサービスの提供を行える。

今回の措置は、ハリスコ州内での感染者数が27日に904人を記録したことを受けて発動したとエンリケ・アルファロ= R.州知事が会見で示したものである。
その目的は感染の更なる広がりを抑制することだとし、必要不可欠な活動の継続を担保した上での措置であるから、今回の緊急事態ボタンの発動は、州経済活動を全面的に抑制するものではないと示した。

また、家族、親族や交友関係での集会が主要感染源の一つとして判明しており、イスマエル・デル=トロ、グアダラハラ市長は、週末に多くの人が集まる状況を回避することが重要であるとし、個人宅での集会を抑制するような方向性を示唆した。家族、親族の会合の頻繁さは、グアダラハラ市に限らず、メキシコ全般に当てはまる社会的伝統である。筆者もそうであるが、メキシコでホームスティをしたことがある人なら合点が行く現象であろうが、新型コロナがこうした社会的な「当然の」慣習を根底から揺さぶる脅威と化したことへの行政の強い懸念と警戒感が看取される。市民との間の認識のギャップをどう埋めていくかが今後の課題と思われる。

欧州では 、「半世紀で最も深刻な事態」として危機感を露わにするスペインなど、新型コロナ封じ込めへの政府の厳しい行動が大きく報道されており、他方、大西洋の対岸の米国での感染再急増に歯止めがかからない状況を呈している。ニューヨークやカリフォルニアでは経済活動の制限強化が再導入された。ハリスコ州の対応は、文字通り「対岸の火事」どころではない、「明日は我が身」という危機感の表れだろう。

尚、テキーラは必要不可欠な生産活動として分類されており、今回の措置の影響を受けることなく、メーカーが行政や業界関係諸機関の指示の下で、操業を継続してきている。テキーラの生産量に関して、2018年から2020年まで1月から10月までの生産高(百万リットル)をCRTの数値で見てみると、 

<テキーラ生産量>
2018年:263.5
2019年:298.3
2020年:275.2
単位:百万リットル

今年は昨年に比べて1割減となっているが、それでも2018年を上回る数値を記録していて、前代未聞のコロナ禍の計り知れない影響の中で十分に健闘していると言えよう。問題は、残りの二ヶ月がどう推移するかであり、注視を続ける必要があるだろう。

<翻訳・解説>
松浦芳枝(AMCT認定テキーラエキスパート)

<主要参考資料>
①ハリスコ州政府
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②INFOMADOR.MEX
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③EL UNIVERSAL
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④MILENIO
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⑤在レオン日本国総領事館

<情報提供協力>
MEXI TOWN
https://www.mexi-town.com/

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