テキーラってどんなお酒?
アガベアスル(竜舌蘭の一種)を原材料とするメキシコ原産の蒸留酒。メキシコ・ハリスコ州にある地方自治体の1つである町の名前「テキーラ」に由来する。
CRT(テキーラ規制委員会)によって厳正に管理され、テキーラに関するメキシコ公式規則(NOM-Tequila、現行はNOM-006-SCFI-2012)を満たしたものだけが「テキーラ」と呼ばれている。「テキーラ」の語源は、ナワトル語の①仕事をする場所、②黒曜石を切り出す場所、③野生のハーブが育つ場所、に由来する。
テキーラの原産地呼称
1974年に、メキシコの5州(ハリスコ、ナヤリット、ミチョアカン、グアナファト及び1977年に追加されたタマウリパス)がテキーラの原産地呼称として保護された。
指定市町村総数は181、内訳はハリスコ(125・州内全市町村)、ナヤリット(8)、ミチョアカン(30)、グアナファト(7)、タマウリパス(11)であり、ハリスコ州は全てのテキーラ生産の約90%を占めている。
テキーラの主要機関
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1994年に創設された、メキシコ国内外でテキーラの原産地呼称の保護を主目的とした民間の非営利団体(NPO)。テキーラメーカー、アガベ農家、瓶詰め業者、流通業者、メキシコ政府の代表から構成されている。
メキシコ経済省認可のもとで、テキーラに関するメキシコ公式規格の遵守とテキーラ製造の全過程を通じてその品質と真正を保証し、テキーラに関する検査及び認証を行う唯一の機関である。
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1959年にテキーラ業界の利益を擁護するために、当初は地域テキーラ産業会議所(CRIT)として創設された業界団体。2023年1月現在、会員数67社(蒸留所、7社の名誉会員を含む)を擁する。メキシコ政府関係機関、CRTと連携協力し、テキーラの原産地呼称及びテキーラ産業の保護・発展のためのプロモーション活動を国内外で積極的に展開している。CNITのイニシャティブにより、指定地域である181ヶ所の市町村でテキーラの原産地呼称制度による保護が確立し、世界中にテキーラが普及する重要な転機となった。
テキーラの主要規則
- 200種類以上あるアガベの中から「アガベアスル」のみを原材料として使用する。
- 原産地呼称で保護されたメキシコの指定産地5州で育成したアガベアスルを使用し、製造(蒸留含む)したものである。
- アルコール度数は35%~55%である。
- メタノールの値は3mg/ml以下である(無水アルコール中)。
- 水以外のメローイング(添加物)は1%以下である。
- ボトルのラベルにNOM番号(4桁の生産者番号)を記載する。(例:NOM9999CRT)
- 100%アガベテキーラは指定地域内(原産地)限定であるが、テキーラは国内外の登録済み業者でのボトリングが可能。
蒸留回数の規定は規則にはありません!
規定のアルコール度数を得るために、単式蒸留の場合は2回以上、連続式蒸留の場合は1回以上の蒸留が必要です。
テキーラのカテゴリーとクラス
テキーラのカテゴリー
原材料の使用割合によって2つのカテゴリーに分類される。
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TEQUILA
テキーラ
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糖分の51%以上はアガベアスル由来でなければならない。残りはサトウキビの糖蜜やショ糖、ブドウ糖、トウモロコシなど他の天然由来の糖分を用いてもよいが、他のアガベ由来であってはならない。
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TEQUILA 100% AGAVE
100%アガベテキーラ
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糖分の100%がアガベアスル由来のもの。ラベルに“100% de agave”,“100% puro de agave”,“100% agave”,“100% puro agave”等のいずれかの記載がなされている。 “agave”の後に“azul”という単語を続けて表記することも可能。
「ミクスト(mixto:スペイン語で“混合の”という意味)」の用語は、生産現場などで非公式に使われることもあるが、法律上は正式な表現ではない。最初のテキーラに関する公式規格ができて以来、今日まで「テキーラ」という用語が正式に用いられている。
テキーラのクラス
樽熟成の期間によって5つのクラスに分類される。
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ブランコ
BLANCO / SILVER
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- 樽熟成期間 : 0~2ヶ月未満
2ヶ月未満樽熟成させたものをPLATA(プラタ)と呼ぶ場合もある。アガベ本来のフレッシュな味わいを楽しめる。
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ホベン/ゴールド
JOVEN / GOLD
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ORO(オロ)、YOUNG(ヤング)と呼ぶ場合もある。ブランコに他のクラスの熟成したテキーラを合わせたもの、またはブランコにカラメル色素で色付けしたもの。
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レポサド
Reposado
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- 樽熟成期間 : 2ヶ月以上
- 樽の容量規定 : 無し
- 樽の木の種類 : オーク
軽い甘みとフルーティーさがあるソフトな風味。
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アニェホ(アネホ)
AÑEJO / EXTRA AGED
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- 樽熟成期間 : 1年以上
- 樽の容量規定 : 600ℓ以下
- 樽の木の種類 : オーク
樽由来のまろやかな甘みを感じられる。
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エクストラアニェホ
EXTRA AÑEJO / ULTRA AGED
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- 樽熟成期間 : 3年以上
- 樽の容量規定 : 600ℓ以下
- 樽の木の種類 : オーク
奥深い味わいと、樽の個性が強く表れている。
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テキーラ マドゥラド クリスタリノ
TEQUILA MADURADO CRISTALINO
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レポサド、アニェホ、エクストラアニェホを特殊なフィルター等でろ過することにより脱色、透明にしたものの総称。Clear Reposado/Tequila Reposado Cristalino、Clear Añejo/Tequila Añejo Cristalinoと呼ばれ、熟成ならではの樽香・甘みが残る。
レポサド、アネホとエクストラアネホは、CRT立ち合いのもと樽の開封・詰め替えが行われた場合、合計熟成年数が規定を満たせばそれぞれのクラスとして認められている。1年以上樽熟成したテキーラでも、樽の容量の規定を満たさない場合はレポサドのクラスとなる。
世界遺産の地のお酒
テキーラ地区のアガベ畑と蒸留所は、「リュウゼツラン景観と古代テキーラ産業施設群」として、2006年にユネスコ(UNESCO)の世界遺産に登録された(メキシコで26番目の事例)。テキーラ火山の麓からリオ・グランデ川の渓谷に至る面積346.58㎢の地域には、テキーラの原料となるアガベアスルの耕地が広がっている。
テキーラの歴史
ハリスコ州が位置するメキシコの西部では、紀元前1500年前に遡る考古学的遺跡が発掘され、テキーラのルーツとなるアガベ文化が既に存在していたことを示している。
その当時、アガベは非常に重要であったため、400の乳房で子供達に乳を与えていた豊穣の女神の「マヤウエル」によってもたらされたという伝説がある。その後、ヨーロッパ(スペイン)人が、アガベのお酒を蒸留するための単式蒸留器を持ち込んだことで、2つの国が融合しテキーラが誕生した。
18世紀に、テキーラ地区で製造された「アガベワイン」は、品質の良さで評判を呼び、次第に「テキーラ」と呼ばれるようになった。
1750年頃に、テキーラの製造を本格的に行う産業がスタートし、メキシコ革命の勃発(1910年)によって、テキーラに対する国民的価値が回復。テキーラは国民的結束と誇りのシンボルになった。
1940年~1950年代には、テキーラは世界的にメキシコを象徴するアイコンになって今日に至っている。
ラベルの読み方
オーガニック表記
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USDAオーガニック
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米国農務省傘下の全米オーガニックプログラム(NOP)制度により、オーガニック食品の認証が行われている。農産物がUSDAオーガニックと認証されるためには、栽培地で3年以上化学肥料・農薬を使用していないこと、オーガニック栽培計画書などの証明資料とオーガニック製品を提出し、政府の承認を得た検査官による現地査察が必要である。USDAオーガニックのマークの使用は、”100%Organic”製品及び”Organic”製品(95%以上オーガニック原料の製品)に限られる。
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コーシャ(コシェル)認証
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ヘブライ語で「適正な」という意味の「コシェル(Kosher)」という用語があり、主に旧約聖書に基づいたユダヤ教の食事規則のことである。食べていいものと食べてはいけないものが厳格に区別されている。食の安全・安心への関心の高まりと共に、欧米を中心に衛生面及びトレーサビリティの観点から、厳格に管理されたコーシャ認証食品への需要が高まっている。
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エコセール(ECOCERT)
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フランスに本拠地を置き、世界の20か国以上に認定機関を持つ「世界最大の国際有機認証機関」。5年以上、化学農薬、化学肥料を使用していない圃場(畑)で栽培されたものだけが認められ、年に1回、土壌検査・残留農薬検査など厳しい審査・検査が行われる。
環境問題への取り組み
世界の酒造業界でのトレンド・キーワードとなっている「サステナビリティ(持続可能性)」“SDGs”という概念。テキーラ産業も、近年、この概念に基づく社会貢献活動や環境保全に注力している。先進的な蒸溜所では積極的な設備投資を行い、自社リサイクル設備の設置や技術の研究により、廃水を含むテキーラの製造過程で使用した原材料のほぼ100パーセントをリサイクルしている。
また、天然ガスボイラーの使用、ソーラーパネルによるテキーラ製造のための発電など、省エネに取り組む蒸留所も増えてきている。
テキーラマッチメーカーとは?
無添加テキーラ推奨への取り組み
テキーラは、公式規則によって、味をまろやかにしたり、色や香りを強める目的で、総重量の1%を超えない量で、シロップやカラメル等の添加が許されている。しかし、食品業界での「無添加志向」のように、テキーラ業界にあっても、添加物に頼らず、テキーラ本来の風味を重視する動きが最近高まりつつある。その意味で、「無添加テキーラ・プログラム」を主導・推進するTequila Matchmakerは重要な役割を果たしている。
テキーラビジネスに携わるセレブリティ
テキーラブランドのプロデュースは趣味の範囲にとどまらずビジネスとしても注目されており、様々な業界で活躍する著名人が続々とテキーラ業界に参入している。
Actor / Actress 俳優
Artist アーティスト








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